Rio通信: カルナバル


Carnaval (カルナバル ) というと, 何かたくさんの人が夜を撤してサンバを踊り続け, 仮装行列を行なうもの, という漠然としたイメージしか無かった. たとえば, カルナバルの期間に何人亡くなった, などというニュースの記憶の断片も頭にあったから, これは, 多分踊りすぎて死んでしまうのだろうか? などと飛んでもない事まで想像していた.

この時期たった一回の滞在だから, 誤解している面もあるかもしれないが, 初めて自分の眼で見たカルナバルについて書いてみたい.

カルナバルの祭日としての期間としては, 日付として何月何日から何日までなどと決っているわけではない. 具体的にどのように決めるのか知らないが, とにかく, 毎年この時期の土曜日から火曜日までであり, 今年2001年は2月24日土曜日から27日火曜日の4日間だった. 火曜日は国の祝日『Carnaval』として今年のカレンダーに載っている. 『カリオカ: 連休』の項で述べたように, 月曜日は自動的にお休みとなり, その4日間は一般の店は開かないし, IMPAは完全休業だった.

大好きなアントニオ・カルロス・ジョビンの名曲の一つ 『A Felicidade』の歌詞の中に,

E tudo se acabar na quarta-feira.
という部分があり, 訳せば, 『すべてが水曜日に終わる』 ということになる. こちらに来るまで『水曜日』は, ブラジル版『13日の金曜日』なのか? と当て推量する程度で, ここの意味がいまひとつ分からなかったが, ここまで読んだ方はもうおわかりのように, お楽しみは水曜日には全部, 何もかもおしまい, ということだそうだ. この水曜日は, 祝日ではないけれど, カレンダーには 『Cinzas』とある. 意味は「灰, 灰燼, 遺骸,..」である. 宗教的意味合いもあるそうだけれど, 何となく感じがわかりますね.

リオデジャネイロでのカルナバル期間の催し物は, あちこちの街角で行なわれる bloco (ブロッコ) と呼ばれるグループによるパレードと, Samb\'odromo (サンボードロム) という名の会場で行なわれる Escola de Samba (サンバスクール) によるパレードの2つに分けられるようだ. これは都市によって様子は異なり, サルバドールのように, 特別な会場を設けずに, 街の通りで行なわれるパレードのみの都市もある.

今年, サンボードロムでは, 上位にランクされる14校のサンバスクールが, 7校ずつ日曜日と月曜日にパレードを行なった. 金曜日土曜日には, ランキングの低いサンバスクールによるパレードが行なわれたそうである. 街角では, この期間を中心としてその前後にわたり, さまざまなブロッコによるパレードが行なわれる. ブラジル人やカリオカにとってのカルナバルの期間は, 休日としては, 日本の正月 (か盆) に相当するようだ. では, 1月1日はどういう感じだったかというと, 祭日にはなるけれど, 皆1月2日からケロッとした顔で働き始めていた.

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