ブロッコカルナバルの期間中あちこちの街角で, ブロッコと呼ばれるグループによるパレードが催される. よさそうなものや行きやすいところなど選んで, 結局, 6つのブロッコを見ることが出来た.
ブロッコとは, サンバスクールのようにきちんとした組織, 校舎などを持っていない. 大体は, バーなどで知り合った人間たちが, そこでわいわいがやがや議論しつつ出来上がったグループを指す, とのことである.
パレードでは, ブロッコのメンバーの大体はサンバの曲に合わせて直径20センチ位のタンバリンのような形の小太鼓を菜箸を束ねたようなバチで叩きつつ, 唄い踊りながら町内を練り歩く. 練習などはクラブなどを借り切って行なうとのこと. ブロッコによるパレードは誰でも参加自由で, 地元の人やら観光客などが踊ったり大声で唄ったりしながらブロッコのメンバーと一緒に町内を練り歩く. 流す音楽については, 大きなブロッコ, 歴史のあるブロッコとなると, 毎年, 自分達のサンバの曲を作詞作曲して準備して, 参加者には歌詞カードを配って一緒に唄えるようにする. また, 小さなブロッコは, 今年のサンバスクールの新曲などで済ませるようである. いずれにしろ, それらの音楽を, 延々と繰返し演奏したり唄ったりまたCDから拝借して, トラックに積んだスピーカから流しつつパレードを行なう, という具合である.
大きなブロッコのパレードについては, 集合場所・時刻などの情報はweb pageでチェックできる. いつまで閲覧できるか知らないけれど, URLは,
http://www.samba-choro.com.br/carnaval/rio/2001集合場所 (出発地点) には夜店が並び, まさに, 日本の各町内での盆踊りやお祭りのようだった. ビールなどの飲み物, 牛肉の串焼き, ハンバーガ, ホットドッグ, お菓子, そして, 仮装用のお面などが売られているが, 『Neve』という名前のスプレーもよく見かけた. これはシェービングフォームのような白い泡の吹き出るもので, neve とは, ポルトガル語で雪のこと. 人にかけたり, 上に向かって噴射してまさに雪を降らせたりして遊ぶおもちゃである. パレードではぼーっとしていると, 知らない人からでもこれを思いっ切りかけられたりする (何回かやられました).集合時刻にその場所へ行ってみると, 大抵, まだ, 集っているのはほとんどブロッコのメンバーのみだが, しばらくサンバを演奏したりCDを流し, 参加者がたくさん集まってテンションが上がってくると, いよいよパレードの開始である. ブロッコの名前の入ったお揃いのTシャツを着ている人や, おもいおもいの仮装をしている人もいる. また, 西洋式便器 (すわってするヤツですね) がご本尊のブロッコもあり, 見ているだけで楽しくなった. ブロッコのメンバーが揃って叩くタンバリン型小太鼓の迫力にはものすごいものがあり, そばで聞いているとメンバー一人一人の持つ熱気が自分の身体に流れ込んでくるようで, 感動して鳥肌が立ってしまった.
大勢の人間がサンバを踊りつつ道路を練り歩くので, 交通は渋滞し, ブロッコの人間が勝手に道路 (公道) を封鎖してしまうことも珍しくないようだった. ブラジル的鷹揚さでもちろん警察などには届け出ていない. だから, ブロッコのパレードの突発的道路封鎖に出くわして, 仕方なく迂回しているバスなども見かけられた.