代数幾何学のための可換環論入門書として古典的な名著.
代数幾何学の予備知識として「これで十分」とは云えないが,
基本事項が非常にコンパクトに手際良く書かれている.
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本書は, 実は「幾何」の本である.
その背景には, A. Grothendieck のスキーム論がある:
可換環 A に対して, その素イデアル全体のなす集合を Spec(A) と書き,
A のスペクトラム (spectrum) と呼ぶ.
Spec(A) には位相だけでなく「多様体」の構造が定義できる.
代数多様体 Spec(A) をとくにアフィンスキーム (affine scheme) と呼ぶ
(一般のスキームはアフィンスキームの貼り合わせとして定義される. )
このとき, A の可換環論的性質と Spec(A) の位相空間論的性質や多様体論的性質が見事に対応する.
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