セミナーテキスト紹介
- R. Hartshorne: Algebraic Geometry (GTM52, Springer).
[翻訳]
代数幾何学〈1・2・3〉 (シュプリンガー).
... その点, 基礎知識習得の効率を重視した, 「カロリーメイト」で栄養補給するような味気ないテキストとは全く違う. (カロリーメイトは食べたことないけど ... )
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他の分野については知らないが, 代数幾何学における研究のあり方の一つは, 具体的な代数幾何的問題を解くことや具体的に代数幾何的不変量を計算することが出発点にある. たとえば,
「二つの平面曲線は交点の数は幾つか?」
「平面曲線は, 何本の複接線をもつか? また, 何個の特異点をもつか?」
「空間曲面には何本の直線が載っているか?」などなど,
そして一般論は, それらの結果や計算方法を敷衍し整理した結果, となる.
その際, 「自分の理論」の確かさや「未来の定理」としての予想の確かさを検証するには, 具体例で実験してみることが重要となる.
したがって, 具体例を多く知っていること, そして, 必要に応じて様々な具体例を自分で構成する能力および必要な計算を実行する腕力は, 代数幾何学において非常に重要となる.
練習問題を解きながら読み進めるうちに, そのような知識や能力, 腕力が自然に身に付くのがこのテキストである.
ただし, 読み通すには膨大な時間と労力が必要となる
(だから, 学部で卒業して社会に出よう, という人には薦めない).
しかし, その費やした時間と労力に見合った分, 代数幾何学の面白さを存分に堪能できるテキストである.
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なお, 入門書だけれども手法は拘らない「ヴァーリ・トゥードゥ (vale tude)」=「何でもアリ」でよいなら,
D. Mumford: Algebraic Geometry I : Complex Projective Varieties (Springer)
は豪快で面白い.
ただ, 読み通すにはいろいろな予備知識が必要.
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