Rio通信: 日本からの送金


現実: その一

空港や街の銀行にはいろいろATMがあり, クレジットカードの使えるものも結構ある.

まず, Master の系列を扱えると称しているATMを実際に操作してみると,

『通信状況が悪いためお取り扱いできません』
という意味のエラーメッセージが出てしまう. リオデジャネイロの国際空港で幾つか試したけれど, どれも状況は同じで使い物にならない. これには愕然としてしまった. 『世界各地に...台以上ものATMがあります』 という類の謳い文句を読んだ気がするが, ウソではない. 問題はブラジル日本間の通信状態の現状である. たしかに存在はするが機能するとは書いてなかった! しかし, その点, あるアメリカ系銀行 (以下では, C銀行と呼ぼう) の支店に置いてあるATMは, 独自の回線を持っているのか, 百発百中でOKだった. Master 系を扱えるというATMを見付ける度に試してはみたが, 結局, C銀行のATM以外で実際に現金引出ができるものは見つからなかった.

さて一方の Visa に関しては, 口座を持っていること, 提携もしていることもあり, もっぱら B銀行のATMを試してみた. 通信が上手く行かない器械もあるが, Master の場合と比較すれば上々である. ただ, 残念なことに, 1日の (したがって, 一回の) 引出額上限が1000レアイスと定まっている.

そうなると, 一挙に多額の現金が必要な場合を考えるとC銀行のATMで引き下ろすのがよい, ということになる. でも, ちょっとコワイことがあった.

C銀行のATM 緊急に現金が必要になり, Masterのカードを使いC銀行のATMから引き下ろそうとしたときである. ATMの操作に慣れていない事もあったので, 試しに必要最低限の500レアイスの現金を下ろしてみることにした. 操作の途中でATMの尋ねてきていることが分からず, また, 後ろに並んでいる人に聞くわけにも行かず (強盗はどこにでもいるのがリオ), 手続きのキャンセルをした. それから, 少し器械操作を予習し, もう一回操作し直して, その場では500レアイスを無事手に入れた.

びっくりしたのは, 翌月になって明細を見たときである.

器械から吐き出された現金が500レアイスなのに, 9月18日の欄に, 何と, 500レアイス相当日本円が2回引き出された, となっている. 手数料315円もしっかり2回分取られている. 一般に通信状態が悪い, という知識があったので, 引き出しの信号だけ送信され, キャンセルの信号だけ送信されなかったとしたら, どうしよう, などと悪い想像は心に爆発的に拡がり, 大した額ではないとはいえ, 本当に参ってしまった.

実際には, 9月29日になって, 『海外取消』という摘要名で, 500レアイス相当引き出し額が手数料と共に振り込まれた.

微々たる (?) 精神的苦痛と微々たる利息を無視すれば実害は無かったとも言える. しかし, 引き出しの手続きは, たとえキャンセルしたものでも, その場で即刻, 記録し, 口座の状態に反映する一方で, キャンセルについては, やっと, 10日以上経ってからとは!!!


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