Rio通信: 便利な物


特に, 書物に関して: 読み物

自分の場合, 毎日 (日本語の) 本を読まないと気が済まない. 重いのを覚悟の上で, 直ぐ読むための厳選した何冊かの小説など持って来て, あとは郵送した. 持ってきて良かった, 送ってもらって良かったと思う本を挙げてみる:

出発直前, 衝動的に持って行くことにした本だけれど, 正解だったと思ったのは, やっぱり補遺 以下は, 上に挙げた本より個人的かつ非普遍的になるけれど, 面白かった本など挙げてみる. なにも, この『Rio通信』のページに書く必要はないのでやめようと思ったけれど, やっぱり, とにかくRioで読んだ本なので, ここからは『独断と偏見の私的書評欄─Rio編─』って感じで, いくつか挙げてみる.

大沢在昌の新宿鮫シリーズの新刊 『風化水脈』(毎日新聞社). これは面白かった. 2度目に読んでも, また, 面白かった. よく書けてる. そのうちまた読み返してみようと思う. この人の著作は玉石混交という観があるが, その「玉」の部類の一頂点である新宿鮫シリーズの中でも, これは上位にランク付けられる素晴らしい作品だと思う (エラそうに書評してしまいました). お薦めします. 同じく大沢在昌の『らんぼう』(カッパノベルス) は, 新刊が出たことをインターネットで知り送ってもらったもの. これも再度読んでも面白い. それから, 最近, テーマ別に再編集されて出版された『美味しんぼ』(小学館). これは説明の必要はないですね. 繰返し読んでます. 佐々木 譲の『総督と呼ばれた男』(集英社文庫) は, 期待通りの面白さで, 上下2巻を一気に読んでしまった. これは, またそのうち読み返したい.

コムツカシそうで, あまり期待していなかったけれど, 時間もたっぷりあるだろうからと思って持ってきた本としては, 金田一春彦の『日本語 (新版)』(岩波新書). これは, 読んでみたらとても面白かった. 日本語の文法的解釈に関しては, 学者, 学説によってまだ固まっていない点がある, という部分はとても印象に残った. 読まずにずっと放っぽらかしてあったマーク・ピーターセンの 『続 日本人の英語』 (岩波新書) も同じような動機から持ってきた本. 為になるし面白かった. 『続』だけでなく, 昔読んだ『正』の方も読み返したくなった.

フリーマントルの『屍体配達人』(新潮文庫) は繰り返し読むかどうかわからないけれど, まあ, 面白かった. でも, フリーマントルなら, やはり『チャーリー・マフィン』シリーズの方が好きだ. 香納諒一の『雨の中の犬』(講談社文庫) は, この人の『梟の拳』が面白かったので, そして, 出発間際に文庫本新刊として見付けたので, 持ってきた. まあまあ, って感じ.

最後に, とても期待していたのに途中で投げ出してしまった本をちょっと. 出発ギリギリにようやく手に入れ, 重いのに頑張って持ってきた夢枕 獏の『黒塚』(集英社). それから, 高い郵便代をかけて送ってもらった, 同じく夢枕 獏の『腐りゆく天使』(文芸春秋). どちらも最後まで読み通せなかった. まあ, 寝付かれないときには読むのには良いかもしれない. 夢枕 獏は, 自分の本を買う時の分類としては最上位の 『新刊が出たらとにかく買う著者』 に属しているのだけれど, 残念. どちらも, 多分, 自分に合わなかったのでしょう. 正直言って, この著者の 『魔獣狩り』や 『九十九乱蔵』のシリーズなどをムセッソーにごりごり書いていた頃の (実は, この著者に限らず誰でも, 論文の書き手である数学者についても同様に), うちなるものから溢れるエネルギーをコントロールできない感じ, 無骨で不器用な感じが好きなんだけどなぁ...

蛇足: 因みに著者の分類に関する他の項目としては. 『新刊が出たら内容をチェックしてから買う著者』, 『文庫本版の新刊が出たらとにかく買う著者』, そして, 『文庫本版で新刊が出たら内容をチェックしてから買う著者』, がある (だから何だ? って感じで, 本当に 蛇足でしたね).

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